Introduction

……。

「おかえり。俺の子供たち」

「お父さん……生きて帰ってこられて良かった」

「大丈夫だよ、フリック」

「ふぅ。何はともあれ、さっさとじじいの料理でも食おうぜ。オレは腹が減った」

「……ただいま」

「……これから、よろしくお願いします」

「ただいま」

アリアンロッドRPGリプレイ『空飛ぶ船と陸の海賊』

それは、とある家族の物語。

～序～

◎はじめに

　おはようございます。こんにちは。こんばんは。はじめましての方は、はじめまして。

　今回のリプレイのGM（ゲームマスター）兼執筆者をさせていただいている、創作部TRPG班のイリュージョンと申します。

　今回のテーマは『家族』。……といってもこれはPL（プレイヤー）の皆さんが後から作ったものなのです（笑）。そう、まるで物語をしながら物語が生まれたかのよう。

なんともTRPGらしい即興性によって作られた物語と、GMである私が作ったシナリオが混然一体となり、この物語は生まれました。

『空飛ぶ船と陸の海賊』

この物語が、あなたを笑顔にすることを祈りつつ。

　2011年某日　イリュージョン

◎このリプレイの参加者（各人についてはブログの自己紹介をご覧ください）

　GM：イリュージョン（イリュー）

　PL：しなっち、toto、sen：ri（sen）、奈月遥（奈月）

◎この物語の世界

　アリアンロッドRPGの世界とは、神々や精霊、魔法や錬金術、幻想上の生き物・種族などが実在する世界です。PLたちはPC（プレイヤーキャラクター）として、冒険者と呼ばれる、自身の肉体・精神力・武器・魔法などを用いて、邪悪な魔物に立ち向かったり、人々を助けたりする者となって困難に立ち向かいます。

　本作では、この世界に登場するエリンディル大陸と呼ばれる大陸と、神聖ヴァンスター帝国という国が舞台となります。

◎PCの能力

　PCは、その能力……何が得意で何が苦手か等を、7つの能力で表しています。その7つとは、

　筋力……体の強さ、力強さ

　器用……手先の器用さ

　敏捷……すばやさ

　知力……知識量

　感知……五感、第六感の鋭さ

　精神……精神の強さ

　幸運……運の良さ

の7つです。

◎判定

　ゲーム内で行った行動が、できたか、できなかったかを、アリアンロッドでは「判定」という形で、サイコロ（ダイス）を用いて決定します。運が良ければどんな絶望的な状況でも跳ね返せますし、逆に、どんなに有利な状況も、運次第では不利になる、ということを表現するためです。

　判定に用いられるダイスの数を、「ｎD6」と表します。ｎには自然数が入り、たとえば、「1D6」の場合は、6面体のダイス（D）を1つ、「2D6」ならば、6面体のダイスを2つ用いる、ということです。

◎今回のレギュレーション（設定）

　PCの経験点（冒険者の、冒険に対する経験値）は100点使用。

　PCの出身大陸・地方の制限なし。

　PCは全員、神聖ヴァンスター帝国本島・フィンジアス島のギルドメンバーとする。

　所持金は、一人3500G（ゴールド）。

◎登場PC

アルクレイド（PL：しなっち）

　メインクラス（役職）はウォーリア（戦士）。サポートクラス（副職）はサムライ（侍）。

　本作の主人公。普段はクールだが、戦闘になると狂戦士化（バーサーク）し、瞳の色が青から赤に変わる。かつて英雄と呼ばれた父の遺言に従い、冒険者ギルド『鉄の山猫（スィデロ・アグリオガタ）』の一員として、ルクス（後述）の経営する孤児院の手伝いをしている。年齢20歳。男。種族はヒューリン（人間）。

フリック（PL：sen：ri）

　メインクラスはアコライト（聖職者）。サポートクラスはバード（吟遊詩人）。

　明るく好奇心旺盛な12歳の少女。しかし彼女は神聖ヴァンスター帝国のとある組織（現在は壊滅）に作られた人工生命体であり、ヒューリンとエルダナーン（エルフ）の混血児である。現在はルクスの経営する孤児院に住み、ルクスを父として溺愛している。

アシエ・カルン・ヘルバ（PL：toto）

　メインクラスはメイジ（魔法使い）。サポートクラスはサモナー（召喚士）。

　もともとは別の大陸のプリーチャー（探求者）であったが、ある日海に落下し、漂流。現在はルクスの経営する孤児院に流れ着き、養われている。“神竜王”セフィロスの信仰者であり、戦闘でも竜の力の一部を召喚して戦う。常に腹を減らしているが、スタイルは悪くない。年齢は17歳。男。種族はドラゴネット（竜人）。

シュティラー・ルクス（PL：奈月遥）

　メインクラス・サポートクラスともにシーフ（盗賊）。

　神聖ヴァンスター帝国の王宮がある、フィンジアス島という島で孤児院を経営する、39歳の男性。天涯孤独の人生の彼に、生きる術を教えてくれた師匠（アルクレイドの父）がいたが、師匠はルクスに一人の女の子……フリックを託し、命を落とした。

　その後フリックをはじめ、身寄りのない子供などを集め、“家族”としてともに暮らす日々。また、家族を養うために冒険者ギルド『鉄の山猫』を立ち上げた。

　料理が得意。フリックを溺愛している。種族はヴァーナ（獣人）。

◎その他

師匠

　ルクスの師匠にしてアルクレイドの父。生前は英雄と仰がれていたが、ルクスと共に所属していた神聖ヴァンスター帝国のとある組織の部隊にて何者かからの襲撃を受け、フリックをルクスに託して死亡。また、アルクレイドに、ルクスと協力してフリックを守るよう遺言を残す。

子供たち

　ルクスの経営する孤児院の子供たち。また、ルクスが養っている人物たちのこと。アルクレイドとはまた異なったタイプの戦士や、黄緑色の肌をした給仕さんなど、多種多様。

使者

　神聖ヴァンスター帝国王宮の使者。冒険者を軽蔑している。

ゼダン

　神聖ヴァンスター帝国の王。ギルド『鉄の山猫』の力をかっている。

◎ギルド紹介

　名前：鉄の山猫（スィデロ・アグリオガタ）

　ギルドレベル：2

　ギルド長：シュティラー・ルクス

　今回のメンバー：アルクレイド、フリック、アシエ

　ギルドスキル：料理人、蘇生、祝福

　※アリアンロッドRPGは、有限会社ファーイーストアミューズメントリサーチの著作物です。