Tokyo N@VA The Detonationリプレイ
「〜休日の欺曲〜Vacation of N◎VA」




トーキョーN◎VA The Detonation リプレイ



アクトトレーラー



これは、つかの間の休日に起きた戯曲。

男は己の手を紅く染める、己の失ったものを探す為に。

そんな男が得た休日。彼は穏やかな休日を過ごす。仮面をつけて……。

自分が捨てた世界。そこに戸惑いと、憧れと、一抹の幸せを感じながら。

歩き続ける闇の道から、もう戻ることはできないのか?

 やがて穏やかな休日は終わりを告げるだろう。そして……

Tokyo N◎VA The Detonation

〜休日の欺曲〜Vacation of N◎VA

かくて運命の扉は開かれる。





キャスト紹介



シエル=L(ラクシミエル)=エヴァンジェリスタ Jender ♀ AJ 15 

「お前は悪人だな。成敗する!」

ハイランダー◎● カリスマ マネキン

軌道国家の一国、エヴァンジェリスタ皇国の第一皇女。

コロニー内の皇宮で生まれ育った生粋のハイランダーである。自らの信念と道を貫き通す人間であり、非常に行動的である。その行動は周囲を驚かしつつも、強烈なカリスマ性として現れている。

その反面、世間知らずな面があり、地上に降りた際は通常生活をおくるのにも不自由するほどである。思考は単純なようであるが、物事を正面からとらえる「純粋さ」は人の心に忘れてしまった何かを思い出させる。皇家に伝わる剣を常に持ち歩いている。

ちなみにコロニーを所持する為に〈ブランチ:ハイキャッスル〉をLv5で取っている。



西川エリ Jender ♀ AJ 28

カゼ◎ ミストレス● クグツ

「あら、お久しぶり。どちらまで?」

愛車のグローリアス・リムジンを乗り回す、フリーの運転手。腕は確かであり、その技術は通常の車の2倍はあろうかというリムジンで、軽々と90度カーブを行えるほどである。

信頼できる人柄と優れた運転技術を持っている彼女は、様々な企業の重役や軍関係者からオファーが来るが、未だにフリーでいる。あまり固苦しいのが好きではないからだという。

また、その人格から多くの運搬業者のカゼ達に慕われている。彼女が一声かければ数十台のトラックが集結するという。広くコネを持っており、ヘタな情報屋より顔が広い。十代の頃はレディースに所属していたようで、そこで運転技術を身につけたようである。



“白翼”イルフィーナ Jender ♀ AJ ?

イヌ◎ カブトワリ● バサラ

「まさか、もう一度、その名を聞く時が来るとはね……」

ブラックハウンド機動捜査課重武装班(ヘヴィアームズ)に所属するイヌ。重武装班は武装した犯人を制圧、無力化するために当然、相応の腕を持った者でなくては勤まらない。その為、経歴が少々危険な連中が多い。

しかし、彼女の過去はその中でもかなり異質な部類に入る。幼い頃から、光を操る能力を持っていた彼女は光学兵器を完璧にコントロールできた。マフィアによって暗殺者として育てられ、北米で名の知られた暗殺者となった。“白翼”とはその時のコードネームである。しかし、義理の妹としてウィルを拾い、それまでも己のすることに、どこか違和感を感じていた彼女は、組織を脱走し、N◎VAにやってきた。

そして、今は、経歴を隠しイヌとして働いているのである。組織にいた頃、肉体の強化を受けており、ウォーカー用光学兵器“灼光”を使うことができる。



“道の探求者(スタイルクエスター)”タクヤ=エストニア=マクラーレン Jender ♂ AJ 16

「ん、腹減ったのか? じゃあこれ食えよ。……あー、腹減った」

カタナ◎ チャクラ● ハイランダー

最近N◎VAで売り出し中の荒事屋。軌道出身で本来はエヴァンジェリスタ家のクグツとして、遺伝子技術によって生み出されたが、教育中に自我が芽生え脱走、以後、N◎VAでフリーランスの荒事屋として働きつつ、己の生きる道(スタイル)を模索している。しかし、軌道への未練もあるらしく、時折、空を見上げ ている。なお、本来仕えるはずだった、皇女シエルには幼い頃、散々振り回されたらしく、微妙にトラウマになっているらしい。

また、飢えている子供等を見つけると、自分のサイフの中身も考えず、おごってしまうクセがある。その為かはわからないが、いつも腹を空かしている。武器は大型単分子ナイフ、“スティング”と師に仕込まれた体術。





オープニング・フェイズ

シーン1「バカンス:故郷への帰還」 シーンタロット:エグゼク



北米、政財界の重役達が出席するパーティー。そこから1km以上離れた廃ビル。そこに一人、男はいた。手には槍の様に長い一丁のライフル。姿勢を低くして構える。

ヒュン

次の瞬間、パーティーの主賓らしき男の頭が弾けた。

「ボ、ボス!」

「だ、誰がやった。見つけろ、殺せ!」

騒然となるパーティー会場。ライフルのスコープから目を離す狙撃手。

「見事な手並みだ」

スーツ姿の男が拍手をしながら、背後の闇から現れ、言った。

「次の仕事の場所は?」

「二週間後に、トーキョーN◎VAだ。最近、上の方が手を出してる。まあウチも時流に乗ろうという訳だ」

「ずいぶんと危ない橋を渡るな」

返す声には気乗りしないという感情が、表れていた。

「そんなことは、この業界じゃよくあることだ。それに、キミの腕なら問題はないだろう?」と、スーツの男が肩をすくめる。

「経費をいつもより余分に用意しておいた。久しぶりのバカンスだ。楽しんできたまえ」

言い、スーツの男は姿を消した。

「N◎VAか……二十年ぶりだ、な」

呟き、足音だけが木霊した。





シーン2「闇からの襲撃:専門との差」 シーンタロット:カタナ



「カコーン、カコーン」水の音が情緒豊かに響くアサクサの和料亭。そこで二人の男が向かい合って話をしていた。

「あ、これとこれ追加ね」

いや、片方は食べてばかりいたが……

「相変わらずよく食うな」

「いやあ、これ三日ぶりのメシなんで」

「もう少し、金の使い方を考えた方がいいぜ」

会話だけ聞けば仲のよい悪友同士、といったところだろうか。

あきれたような顔で話す、最近、衝撃的な形で藤咲組二代目組長を襲名した男、藤の任侠%。咲竜二の問いに、無我夢中で食べ続ける男、最近売り出し中の荒事屋、タクヤ=エストニア=マクラーレンは呟いた。

「そう言われても、ガキ連中にメシやってるだけなんだけどなぁ」

ニューロエイジにそぐわないタクヤの言葉に竜二は安心した。

(こういう男だからこんな仕事も頼める)。

「まあ、そろそろ本題に入るか……」その時、

「な、なんだ、てめえは!」

外から怒号と悲鳴が聞こえてきた。



タクヤ:だ、誰の声?

RL:竜二の護衛の声のようですね。

RL\護衛:「な、なんだ、てめえは! ぐわああっ」

シエル:や、やられてる(笑)

RL\護衛:「トニー!」(一同笑)

タクヤ:トニー、しくじった(笑)

シエル\護衛:「トニーの奴がしくじりやがった。組長、ちょっとお待ちくだせえ、オレ達が行ってきやす、ぐわぁぁぁ」(一同笑)

RL:いきなり、チンピラにならないでいただきたい(笑)。そんな声が聞こえた後、開けはなたれる障子。

タクヤ:じゃあ、背中のスティングに手をやろう。

RL:襲撃者は黒ずくめの格好で目の部分しか見えない。そして……

RL\黒づくめ:「貴様が藤咲竜二か?」

タクヤ:「おい、竜二さん、オレ以外にもお客さんみたいだぜ」

RL\竜二:「呼んだ覚えはない」

RL\黒づくめ:「関係ないな」といって、「カシャン」手の甲から金属製の爪が飛び出し、音も無く切りかかってきます。

タクヤ:ベアキャットか! スティングを引き抜いて受け止めよう。

RL:キィィン、乾いた鉄の音が響く。「なかなかいい腕だ」

タクヤ:ドラゴンブーツを機動。足に力を入れる。

RL\黒づくめ:「しかし……」と押し返して、ニィと口元が歪む。気が付くと、後ろで藤咲竜二がうずくまっています。

「所詮、専門(カブト)ではないな」ニヤリと鮫のように笑う。

針を放ったようですね。そして「ザッ、ザッ」と二度後ろに飛び上がる。

タクヤ:スティングを手に追いかける。

RL:バサッと塀の上に上がり、そして姿を消します。

タクヤ:「竜二さん!」



*      *      * 



RL:場面が変わって、自室の布団の上で竜二が寝ているところです。

シエル:なるほど、医者とかは?

RL:います。診察後、竜二が目を覚まします。

RL\竜二:「俺ぁ大丈夫だ。すまねえが、先生、席を外してくれ」

「で、さっき言いそびれた話なんだが、最近、河度にちょっかい出してきてる連中がいてな、奴らずいぶんと腕ききで、本家の方も押されてるって状況だ」

タクヤ:「へえ。そんなことが……」

RL\竜二:「ウチも何か手をうたにゃならねえと思ってた矢先にこれだ。……実のところ、ウチの連中が手を出せる状況じゃねえな」

先ほどの襲撃で藤咲組は主要な組員が負傷している状況です。

タクヤ:「一瞬対峙しただけだが、奴は殺し専門の人間だ。生きてたのが奇跡みたいなもんだぜ」

RL\竜二:「……だが、そんなこと、本家に言えるはずがねえ。そこで、奴らが何者なのか、調べてもらいてえんだ」

タクヤ:「確かにな……わかった。まかせてくれ」

RL\竜二:「すまねえな……うっ、ゴホン、ゴホッ。これは、報酬兼調査費用だ」と、1ゴールド渡します。

タクヤ:「良い知らせを待ってろ。それまで養生しといてくれ」

RL\竜二:「ああ……信頼してるぜ」というわけでシーンエンド。



シーン3「信頼:運転手と貴婦人」 シーンタロット:カゲ 





今日の仕事を終えて、街を流していると、お得意様からポケットロンに呼び出しのメールが入る。今の一番のお得意先、二条塔子さんだ。

「よう、エリちゃん、仕事かい?」と、仕事仲間のテツさん。

「ええ、ちょっとお得意様のところへ」

待ち合せ場所に着くと既に五十代後半ぐらいの貴婦人が立っていた。

「すまないわね、突然呼び出してしまって」

「どうしたんですか?」

いつもなら、きっちりスケジュール通り迎えにいく。塔子から直接呼び出されるのは初めてのことだった。

「とりあえず、この場所に行ってくれないかしら」

エリのIANUSに目的地のアドレスが送られてくる。

「わかりました。安全第一で行きますね」

「お願いするわ」



RL:二条塔子さんは五十代後半の女性です。送られたアドレスに着きますと、そこは孤児院ですね。

シエル:孤児院か。何があるんだろう?

エリ:「着きましたよ」

RL:そうすると、孤児院の外で遊んでいた子供たちが、「あっ、おばちゃんだ!」と言って寄ってきます。

タクヤ:(子供になって)「おばちゃん、おばちゃん」

イルフィーナ:(同じく子供になって)「今日は何もってきてくれたの?」

RL:「今日はお菓子を持ってきたの」

タクヤ:「わーい、お菓子だ」

RL:で、エリ:さんに「ちょっと、一緒に来てくれるかしら?」

エリ:じゃあ入ってみます。

RL:子供が塔子に「ねえ、このおばちゃんだあれ?」と、聞きます。

エリ:頭を掴んで「おねえちゃんでしょ?」

RL:「ごめんなさい。びじんのおねえちゃん」(一同笑)

エリ:「いい子ね」

RL:「この子達も本当の親御さんと暮らせるといいのだけど……」

補足しておきますと、二条塔子さんはこういった孤児の保護活動に積極的です。資金援助なども行っている。

エリ:本業ではないんですか?

RL:本業ではありません。社長ですから。会社自体は超巨大企業千早グループの有力な一社といった感じですね。

RL:「忙しい所ごめんなさいね。実はお話したいのは、運転の契約のことなんだけど、来月から解約しようと思うの」

エリ:ちょっと驚いた感じで言います。「それはまたどうして?」

RL\塔子:「実は、引退を考えてるの」

エリ:「そんな、塔子さんはまだ若いじゃないですか」

RL\塔子:「そんなことないわ。もう五十五よ。私みたいのが頑張ってると、若い人が育たないしね。それにやり残したこともあって……。それが終われば、この子達といっぱい遊んであげるつもりよ」

エリ:「やり残したことって?」

RL\塔子:「ちょっと、ね……」と言葉を濁します。

「二週間後に引退発表するつもりなんだけど、一つ頼みがあるの」

エリ:「なんでしょう」

RL\塔子:「二週間、私はスケジュールが詰まっててここに来られないの。時々でいいから、この子達に会いに来てあげてくれないかしら?」

これは彼女の個人的な頼みですね。

エリ:「いいですよ。こんな可愛い子たちの相手ができるなんて、幸せじゃないですか」

RL\塔子:「ありがとう、やっぱりあなたは、私が見込んでいた通りの人だったわ」といって、懐から小切手を取り出して渡します。1ゴールドもらってください。現在で言うと五十万円くらいですね

エリ:そんなに!?「これは……こんなに頂けません」

RL\塔子:「気持ちよ、受け取って頂戴。今まで本当にありがとう」

エリ:「塔子さん……本当に引退してしまうんですね、残念です……。この街にはあなたみたいな人が……」

RL\塔子:「わたしも、自分のやるべきことをやった上で退場するわ」微笑んで、シーンエンド。

シーン4「天下り:出会い」 シーンタロット:レッガー



軌道、エヴァンジェリスタ皇国。第一皇女シエル=L=エヴァンジェリスタは皇宮の自室で午後のティータイムを楽しんでいた。

執事のセバスチャンが、部屋をノックする。

「お嬢様、お父上様から書状が届いております」

「手紙? 何かしら?」

紙媒体が好きな父からだとすぐにわかる。国王である父は忙しくて、あまり会えないが、よく手紙を送ってくれる。

「相変わらずCDな……」

苦笑しながら開く。

「我が愛する娘よ、息災にしておるか……」

文章には父の、娘に対する愛情が込められていた。万感の思いを込めて読み進めていくと、紙一枚、全てを使うほど大きな文字でこう書かれていた。

「それはともかく、婿を決めよ」



シエル:ぴしっ、と凍りつく(一同笑)

RL:後ろにセバスチャンが「既に準備は出来ております」と、何やらトランクケースを。

シエル:ビリビリビリ。

タクヤ:や、破った(笑)

RL:「なお、お前はこの手紙を破くだろうから、セバスチャンにスペアを持たせておく」(一同笑)

シエル:「……もう準備はできているのね?」

RL\執事:「はい。スペア手紙に、見合い写真が入っておりました」バサッと、分厚い見合い写真の山とスケジュール表を取り出します。

タクヤ:な、なんて手際のいい(笑)

シエル:少しセバスチャンの方を見て、「よろしい、行きましょう」

RL\執事:「はっ。ではシャトルの手配を」では、宇宙港に行くと皇族専用機が用意されています。エヴァンジェリスタ皇国の皇女が降りてくるというので、N◎VAは大騒ぎですね。

シエル:私は一言も喋りません。

RL:地上に着くと、赤絨毯が敷かれ千早の重役達がお辞儀をします。

シエル:やっぱり喋らない。よく見ると、皇女様の顔が全然違う。

イルフィーナ:な、なんだそれ……。

シエル:で、セバスチャンが確認してください。

RL\執事:で、では、二秒ほど皇女様の顔を見て、「ニセモノですな」

イルフィーナ:ど、動じてねえ!(爆笑)

RL:しかし、他の連中は大騒ぎになります。

タクヤ:動揺してないのはセバスチャンだけ(笑)

RL\執事:「まったく、お嬢様も困ったものです」

イルフィーナ:落ち着き過ぎだろ!(爆笑)

RL\執事:「とりあえず、ニュースはホロ映像を出せばいいでしょう。お嬢様はつてを頼って探し出させます」と、トロンを叩く。

タクヤ:早っ! 歴戦の執事って感じだな(笑)



*     *     *



「セバスチャンのことだ。今頃私を探していることだろう。だが甘い。まさか私がレッドエリアに向かっているとは思うまい」

自信満々で街中を堂々と歩くシエル。彼女は自分の容姿が恐ろしく目立つことに気付いていなかった。レッドエリアに向かって歩いていると、隅田川の前でいかにもチンピラ風の男達に、緊張感がなさそうな青年が囲まれていた。

「金だせ、オラァ」

「お金 ……持ってないです」

「金がねぇだあ? ふざけんな! この野郎」

眉をひそめ、足音を立てて近づいていくシエル。そして開口一番、

「お前達は何をしている! 答えろ!」

「何をしてるって? オレはこいつの友達でなぁ。ちょっと金を貸してもらおうとしてただけさ」

「そうそう、ここで見たことはすっかり忘れちまいな」

ニヤニヤといやらしい笑いを浮かべるチンピラ達。自分達が有利に立っていると思うと態度が大きくなる人間はやたら多い。



シエル:「なるほど、お前がしていることはよくわかった。ここからすぐに消えうせろ。今ならば許してやってもいい」

RL\チンピラ:「あんだとぉ、このガキィ」と殴りかかります。

シエル:「ギロリ」と睨みつける。

RL\チンピラ:「ひ、ヒイィ」と後ずさるチンピラ(一同笑)「お、覚えていやがれ!」と去っていきます。エキストラなので。

シエル:では、ザッザッザッ、と青年の方に歩いていって睨みつける。「お前もお前だ。なぜ、あのような連中に絡まれて何もしないのだ」

RL\レオル:「は、はあ」

シエル:「お前、見ているとどうも危なっかしい。私に付いてくるがいい。守ってやろう。それに私は追われている身でな」

RL\レオル:「そ、そうなんですか?」

シエル:「ああ、実に狡猾な追っ手だ。だが、心配いらない。付いて来るがいい。」

RL\レオル:「……ところで、行く場所って決まってるんですか?」

シエル:「いや、決まってない。私が行くところが道となる」

RL\レオル:「あ、あのう、じゃあ、私の下宿に来ませんか? もう暗いですし……」

シエル:「下宿? いいだろう、案内するがいい。場所は?」

RL:イエローエリアの端です。シーンを切ります。



シーン5「増える仕事: 嫌な予感」 シーンタロット:カゼ

ブラックハウンド重武装班(ヘヴィアームズ)のイルフィーナ巡査は、なれない机仕事(デスクワーク)に苦労していた。元々、重武装班は調査に向いてない人間の集まりなのだ。インスタントコーヒーを入れて一休み。そこに千早冴子課長からの呼び出しが入る。イヤな予感がした。

「面倒な事件を捜査中に悪いけれど、あなたにもう1つ担当してもらいたい事件ができたの」

案の定である。

「もう1つですか?」

「北米で有名な暗殺者がN◎VAに上陸したとの情報が入りました」

北米……古巣だがあまり思い出したくはない。



イルフィーナ:「北米ねえ……」と頭の中で呟きます。

RL\冴子:「あなたにその調査を行って欲しいの」

イルフィーナ:「別に構いませんけど。私向きの仕事とは思えませんが」

RL\冴子:課長は指を三本立てて言います。「あなたを選んだ理由は三つあります」

タクヤ:三つあった(笑)

RL\冴子:「一つ、相手が一流の暗殺者である点です。並みの戦闘力では、もし相手と遭遇した場合、手の打ちようがありません」

イルフィーナ:「重武装班が必要になる、と? それなら他に適任が…」

RL\冴子:「二つ目には、この暗殺者が北米のマフィアの構成員であるという情報が入っているからです」

イルフィーナ:「それがなんで私に?」

RL\冴子:「それはあなたが一番よく分かっているでしょう?」

千早冴子は《M&A》でその情報を手に入れてます。(一同笑)

イルフィーナ:じゃあ、こりゃーばれてるなぁ、と苦笑いしておく。

RL\冴子:「そして、三つ目は私のカンよ」いつものやつですね。

イルフィーナ:「重点は北米の方に置いてもいいでしょうか?」



RL\冴子:「なるべく平行して捜査を進めてください」捜査費用として3シルバーを渡します。

イルフィーナ:「わかりました。失礼します」退室します。そして、ポケットロンで装備保管課に連絡する。イヤな予感がするので。

RL:了解です。シーンを切ります。

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